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詩人PIKKIの第三ブログ

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2008年02月06日×ENTRY's

ふるさと


未分類

二月になると いつも
山へと分け入って
ウサギやカケスの罠を仕掛けたもんだった

そして三月になると
ぼくが一番好きだった凍雪の季節
昼の太陽の熱で溶けた雪面が
夜に凍りついて
どこまでも真っ直ぐ歩いていける
今年はどこの
源流や山奥の誰も知らない湖を
探険しようかと夢想していた三月だった

「まるでここいらはイタリアのポンペイみたいだね。日本一縄文遺跡が密集してるし」と言うと
「沖縄でしか採れないイモガイの腕輪も発掘されているよ」と微笑む君だった

四月になると
雪解けの森のあちこちで
花開きはじめる
福寿草の黄金や
カタクリの薄紫や
エゾエンゴサクの青だった

ふっと
あの頃の君の微笑みが
また ふたたび
風の中に見える時がある
涙で揺れ動く
ぼくの視界の彼方に

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