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詩人PIKKIの第三ブログ

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2010年01月×ENTRY's

地図


未分類

mienoumi
ずっと昔から
地図一枚を持ってのぶらり旅が好きだった
たどたどしい書き込みだらけの地図を握りしめながら

そんな旅とはうらはらに
いつの時代の人間も
最近のぼくも
私欲のための地図ばかりを作ってきたような気がする

狩りの場所を記した地図や
航海のための地図
思い出の中だけのきみに出会うための地図

地図は
理解のための第一歩だったのかもしれない
理解が
愛や憎しみのための第一歩であるように
理解の広がりが
ぼくらの世界の広がりだったように

誰もが 
初めての燃えさかる記憶から 
燃え尽きてゆく死のときまでの
自分だけの地図を作るべきだ
疑問符が感嘆符に変わった瞬間の記憶のために

世界は いつだって
溢れるばかりの疑問符に満ち満ちている
青い森で空を見上げたとき
海のあまりの広さに絶句したとき
その記念のためであれ
きみの地図は書き残されねばならない
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詩 斎場勤め(あの時の小鳥はマヒワらしい)


未分類

mahiwa
山奥の斎場での数年間では
色々あったけど
いま思い出すのは
小鳥のことくらい

斎場への
九十九折の山道で
危うく鹿をひき殺すところだった

急ブレーキで止まった車の前を
ゆうゆうと歩いてゆく
母親の鹿と二頭の仔鹿たち

そのふんわりとこげ茶色の毛並みをみてたら
斎場の通路のガラス窓に
何度も激突しては
また通路に横たわっては震え
懸命に窓の外の青空へと
戻ろうとしていた小鳥を思い出してしまった

その小鳥を
両手で抱きかかえると
なんてふかふかのコーヒー色の
なんて柔らかな柔毛

「もうガラス窓なんかに騙されるなよ」と
高く 高く
放り投げたあとに
涙ぐんでいる自分がいた

テーマ:写真日記
ジャンル:日記