詩人PIKKIの第三ブログ

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  自作詩リバイバル(8)   地獄行きの列車


覚束ない足取りで今日また
薄暗い真昼の列車にとび乗って伸びをする
風の他には誰ひとり乗って来はしない
君といつも駅前で別れ
その後に再会したのもこんなどんよりとした昼下がり

「この列車はまるで地獄行きの列車かよ」と呟いた途端に
がくりと列車が揺れて
夜勤帰りの頭を真昼の車窓にしたたかぶっつける

真昼を切り裂いて
追い越して行く快速や急行や特急のたびに
時給千円以下の半日仕事で疲れ切った身体が
座席から通路へ放り出されそうになる

非正規や派遣には
この地上ではもう安住の地はない
蟻地獄のように路上生活者へと落ち
寒空へと追い出されて殺されるくらいがオチ

毎日これだけ働いても
雇用保険も健康保険もない生活保護以下の生活
解雇の連続で国民年金をかける余裕さえない
就職以来数ずっと掛けてきた年金総額数百万円も
納付期間不足で国に没収され高給官僚の懐を肥やすばかり
どれほど多くの日本人の多くがそうして悔し涙だったろうか

ふかふかのソファーに仰向けに寝そべって目を瞑ると
学校帰りいつも「さよなら」と微笑んでゆく
自転車の君の後ろ姿が蘇る
列車のドアから入り込んでくるのは
あの頃と同じ君の腋臭のような都会の熱風

ガラガラの各駅停車に流れるかすかなレゲエの声
背伸びすると茶髪がふたつ顔を寄せ合って泣いてるかのよう
ひそひそ声をかき消しながらやっと電車が動き出す

今日もなんとか地獄から生還してこられたらしい
そぼ降る雨に少し降られながら
上司にはいつものように
「もっと元気出してやれ」と怒鳴り放し

太陽がまだ昇る間は
もう一度君に会えるかもしれない
俺は何度でも地獄の底から這い上がってこよう
見上げれば地獄の往還向こうには卵の腐ったような海
霞む海面にはワイングレッドよりも脆い真昼の三日月
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