詩人PIKKIの第三ブログ

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  自作詩(18)    手紙が届く


すべて忘れてはてた霙の季節になって
北のはての故郷から
きみの死を知らせる手紙が届く
誰にも知らせてないはずのうら寂れた移転先へと

ふるさとへと還ったら
真っ先に逢いたかったかったきみの死亡通知が届く
その短い手紙の文末には
「お墓参りにいってやってくれ」

卒業写真集の君の横顔に見とれながら
先に行ったきみへ「おめでとう」
火酒の氷を揺らしながら乾杯する
これでやっときみは
長い間の苦しみから開放されたのだから

晩秋の病院の窓からは遠いニビ色の水平線
船など一艘も浮いてない錆びれた港と
工場街からの甲高い音
ときどき切り裂くような物悲しい汽笛

空腹だったぼくが
「その柿一個もらえないかな?」ときみに尋ねたので
最後の晩秋のことだったのだろう

柿をするする剥いている君の白すぎる
指の一本一本を見つめずにはいられなかった
カーテンが揺れ秋の陽射しがぼくの足元に蹲る猫になる

それから君の瞳を覗きこんで
君を笑わせようとするいつも癖のぼく
「手術の時にやっぱりあそこの毛を剃ったのか?」
きみのその微笑みに包まれながら死んでしまいたかったよ
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