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詩人PIKKIの第三ブログ

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  三月の詩(21)  ちっちゃな頃から  


ちっちゃな頃から
走るのだけが得意だった
他にやることもなかったし
夜を切り裂くように疾走が堪らなかった

ぼくが走りはじめた頃
『長距離ランナーの孤独』を観た
『フォレストガンプ』を観た頃には
誰よりも早く走れるようになっていた

黙々と天と地との狭間を走っていると
なにもかもがちっぽけに思えてくる
走り疲れると大の字になり
だれ一人通ることもない給水タンクの横に寝転んで
湾岸から湧いてくる雲に見とれる

けたたましく啼きながら
飛んでゆく雉や海猫さえも
愛おしくなってくる

人間の宿命が
サル山の順位争いであれ
殺し殺されるであれ 
人体実験や偽装や暴力であれ

夜に潜り込んで駆け抜けてゆく
この天と地への愛だけは捨てまい
走り疲れて見上げる
湧く雲や風の清々しさを忘れまい
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