fc2ブログ

詩人PIKKIの第三ブログ

ブログ本文は目次下の空白30cmの後から始まるので要注意!

09« 2023.10 »11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ふるさと


未分類

二月になると いつも
山へと分け入って
ウサギやカケスの罠を仕掛けたもんだった

そして三月になると
ぼくが一番好きだった凍雪の季節
昼の太陽の熱で溶けた雪面が
夜に凍りついて
どこまでも真っ直ぐ歩いていける
今年はどこの
源流や山奥の誰も知らない湖を
探険しようかと夢想していた三月だった

「まるでここいらはイタリアのポンペイみたいだね。日本一縄文遺跡が密集してるし」と言うと
「沖縄でしか採れないイモガイの腕輪も発掘されているよ」と微笑む君だった

四月になると
雪解けの森のあちこちで
花開きはじめる
福寿草の黄金や
カタクリの薄紫や
エゾエンゴサクの青だった

ふっと
あの頃の君の微笑みが
また ふたたび
風の中に見える時がある
涙で揺れ動く
ぼくの視界の彼方に

関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

secret

TRACKBACK

この記事のトラックバックアドレス

→この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)