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詩人PIKKIの第三ブログ

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詩  ヤカン


どうしてなんだか
やたらに多くのヤカンが家中にある

母が好きだった琺瑯製のカラフルなヤカン
真っ黒に煤けた父愛用のヤカン
いつもリュックの中のひしゃげたヤカン

しょっちゅう
ガスの火を止めるのを忘れるぼくのため
きみが贈ってくれた馬鹿でっかいヤカン

最近愛用の泣くヤカンが煮えたぎり
ピューと現実に引き戻してくれる

いざという時のための2ℓのヤカンで
ちびちび水割りを飲みながら
いつも故郷のザエを思い出す

ヤカンのように生きていけたらいいのに
一分一秒をいとおしみながら

自分の死とともに消えてしまうこの世界
風の音だけがずっと昔からのぼくの友だち
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