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詩人PIKKIの第三ブログ

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  九月の詩(25)    草原から


草原に海霧が降る
金の雫のように 銀の雫のように
オアシスへと降り立った隊商のように

海のような草原を曳航されながら
少しづつ閉ざされてゆく視界
呻き声を上げながら夜へと面舵を一杯に取りながら

港への途中には点々と
浅瀬を示す灯に揺れ動く
ドンキホーテの片割れの家畜餌用サイロ

幾万の風にそよぐ草穂の真ん中を
なにかが音もなくやってくる 
星々を背にし懐かしい生き物

波また波の水平線からひょっこりと
人工衛星が顔をだす
漆黒の夜へと染まってゆきながら

何もかもが音を潜めた港で
難破船のようにギシギシ軋る漁船に寝そべって
あらゆる星座が変形してゆくのを見上げる
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