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詩人PIKKIの第三ブログ

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 十一月の詩(20)   見晴らしのいい場所


鬱屈が止まざる時には
見晴らしのいい場所へと出かけるしかない
そんな場所がいくらでも見つかったのが
北海道での子供時代

川だけでも見飽きることないけど
ポプラ並木の先の白樺の森の奥には
断崖から水滴が一滴づつ滴り落ちる源流がある
その反対側は海へと切り立った断崖
アイヌ語「鹿を追い落とす場所」という古代以来の狩場に吹き上げる風

寝そべると町全体を見下ろせる
その丘の上の貯水タンクに登って中を見つめると
まるでポー『メエルシュトレエムに呑まれて』のような渦巻きに
発狂しそうにさえなれる

16歳は半年間寝たきりだった
病気療養中のぼくへのクラスメートからのお土産
トーマスマン『魔の山』を貰って読んでからなにかが吹っ切れた
人間にも自然にも魔の部分が大半で
肩肘を張って否定とか肯定とかは無意味なのだ

人生は自分だけのものだけれど
利益だけを考える人生ほど空しいものはない
風や雲や樹々のように
雨の日の森のすべての生き物のように
生きることが芸術のようなものであれたらいい
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